学生マンションとは?
契約とお金について
独特の契約スタイル
学生マンションの多くは契約期間が1年(一般マンションは契約期間は2年間)となる。これは1・3年制の専門学校に通学する人や入学後のキャンパス移動や留学のために引越しする学生の生活スケジュールを配慮しているためだ。また学生マンション契約時には「入館料」「入館金」なるものを支払うことになる。これは一般マンション契約の際に支払う“礼金”とほぼ同じ意味で月々の家賃の前払い分や年払いの家賃とも説明される。
また礼金と同じように契約期間途中で退室しても返金されない。月々の家賃と年払いの家賃の2本立てのシステムだ。
入館料は月々の家賃支払いの負担額を少なくする契約形態で学生寮や学生会館などの学生向けの住まいの契約に多くみられる。金額は1年間で12~17万円。契約更新の際は、更新料として入館料と同額または減額された金額を支払うことになる。ちなみに一般マンションの更新料は家賃の1~1.5ヶ月分。
学生マンションのこうした1年契約や入館料といった契約システムは管理会社や物件によっても異なっている。契約期間を2年間としていたり、入館料や更新料を不要にしているところもある。また住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)や首都圏不燃建築公社などの公的機関の融資を受けて建てられた学生マンションは、礼金や更新料の受け取りができないため入館料も不要となる。ただし入館料が不要となる代わりに月々の家賃は高めに設定されていて、契約期間トータルに金額はどちらもかわらない。
月々の管理費・共益費は建物の仕様や管理人の勤務体制等により金額が異なるが8千円~1万円と少し高め。セキュリティー性が高いため安心料として考えれば高くはないが…。また敷金(保証金)は、定額10~15万円または家賃2ヶ月分としているところが多い。こちらは契約時に支払っておけば更新の際に再度支払う必要はありません。
家賃は周辺相場と同レベル
学生マンションには契約期間や入館料といった独特の契約スタイルがあるが、契約期間満了まで住み続けた場合の総支払額は周辺の一般マンションとそれほど変わりません。充実した管理サービスやセキュリティーの面を考えるとお得な住まいかもしれません。ただ建物の仕様や設備グレードによっては近隣家賃相場よりはるかに高い学生マンションもあるので見極めが必要。
一般マンションとの金額比較
家賃6.5万円・管理費5千円、礼金敷金各2ヶ月の地域の場合
首都圏で言えばJR中央線「三鷹」駅・京王線「調布」・小田急線「向ヶ丘遊園」周辺、駅からの所要時間・建物構造(RC)・部屋条件が同じ場合
学生マンション | 一般マンション | |
---|---|---|
家賃 | 60,000 | 65,000 |
管理費 | 8,000 | 5,000 |
月々の金額(※) | 68,000 | 70,000 |
2年分の金額(※ × 24) | 1,632,000 | 1,680,000 |
礼金 | 0 | 130,000(2ヶ月) |
入館料 | 120,000 | 0 |
敷金・保証金(2ヶ月) | 100,000 | 130,000(2ヶ月) |
更新料(1年毎) | 120,000 | 0 |
総合計 | 1,972,000 | 1,940,000 |
水道光熱費について
水道・電気・ガスなどの料金は公共機関や各取扱会社と自分で契約し、使用料を支払うのが基本パターン。ただし、いくつかの学生マンションは各戸に専用メーターを設置しておらず、定額料金となり毎月管理会社より請求される。請求される金額は、一人暮らし家庭の支払う標準金額にあわせており決して高くはない。水道光熱費を家賃や管理費に組み入れ、使用料金無料と表示しているマンションもある。その場合は、当然家賃や管理費はその分高めに設定される。


