インタビュー
管理人インタビュー
東京都板橋区の学生マンション管理人のIさん(女性)よりコメントいただきました
このマンションで管理人になって5年目になりますが、私がはじめて入居をお手伝いした学生達がこの春、無事卒業を迎え巣立っていきました。4年前に入居あいさつに来てくれたときは、お母さんの後ろに隠れるようにしてオドオドしてて「これから一人で大丈夫かな?」なんて思った印象のある子どもたちも4年間の一人暮らし生活を通してずいぶんたくましくなり、引越最後の日に「管理人さん、お世話になりました」とあいさつに来てくれたときには涙が出ちゃいました。私にも彼らと同年代の息子がいますが、掃除・洗濯・食事作りなど何でも自分達でこなしてきた彼らとはだいぶ様子が違いますね。


入居者の中で明るくてすごく元気な女の子がいるんですが、前に一度青白い顔をしてフラフラになりながら管理人室を訪ねてきたことがあったんです。近くのお医者さんの場所を聞きにきたんですが、もう様子が尋常でなくて、すぐに救急車やタクシーを呼ぼうともしたんですが、道が混んでいたら時間もかかってしまうと思って、自転車の後ろに彼女を乗せて病院まで思いっきり走ったんです。管理会社でも病院紹介サービスを行っていたんですが、地元に住んでいる私のほうがお医者さんの情報には詳しいと思って、少し時間はかかったんですが20分先の評判のいい病院に連れて行ったことを覚えてます。
お医者さんの待合室でも彼女はぐったりしていたので、一人残して帰る訳にもいかず診察が終わるまで付き添いました。
お医者さんによるとその時期に流行っていたインフルエンザだったようです。おなかの調子も悪いようなのでスーパーで消化のよいうどんを買ってまた自転車の後ろに乗せてマンションまで帰りました。部屋に戻りうどんを作って食べさせて布団で休ませました。翌日にはお母さまがお越しになったので安心しましたが、その日はずっと心配でしたね。苦しんでいた彼女も3日後ぐらいにはすっかり回復しお母さんと一緒にお礼にきてくれました。彼女とはその時以来よく話もするし、メールなんかでもやりとりしているですよ。
彼女も今年で卒業を迎えます。彼女も含めここに住む子どもたちに私たち管理人がどれだけサポートできるのか、お役に立てたのかどうかをふと考える時があります。入居規則を守れなかったり、ゴミの分別ができないときなんかきつく注意したこともあるし、うるさいおばさんと思われてたかもしれないけれど、ここでの経験を忘れずに立派に社会で活躍して欲しいと心から願っています。何年後になるか分かりませんが、近くに来るときがあれば気軽に立ち寄っていっぱい話を聞かせてほしいですね。


